親友は山に消えた
(小学館)
- 「第31回小学館ノンフィクション大賞」ノミネート
前作で野口健との決別を綴った著者が、中学時代からの親友であり、2022年にアラスカ・ハンター北壁で命を落とした山岳カメラマン・平賀淳との日々を追ったノンフィクション。
平賀は世界を股にかけ活躍する山岳カメラマンだったが、著者はその輝きに対して深い友情と同時に強烈な劣等感や嫉妬を抱き続けてきた。平賀は前作の執筆を強く後押ししてくれた恩人であったが、出版後に急逝。精神疾患を抱えている著者は、その突然の死を機に「親友とは何か」という根源的な問いに悩み、彼が歩んだ43年間の足跡を辿り始める。
生前の平賀と関わりの深かった登山家、映像制作の同僚、遺族らへの40人にのぼる緻密な取材を積み重ね、一人の表現者の実像を多角的に検証。劣等感や複雑な葛藤の推移を冷徹に分析し、アラスカの氷河へと向かう著者の魂の救済と再生を描き出した記録。